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BIOGRAPHY

エリノアは幼少期から教育熱心なジャズヴォーカリストの母のもとで音楽に親しみました。頭の中を駆け巡るハーモニーやメロディーを探求するため、5歳よりパリ郊外の音楽院でコーラスとピアノを学び作曲も始めます。

パリ政治学院在学中は音楽から遠ざかったものの、2010年にはアカペラ8人グループ「Yep!」への参加を機に音楽を再開。音楽への情熱を再び取り戻し、1年後にはそれまで慣れ親しんだアカデミックな環境との別れを決意してパリ郊外のBobigny音楽院へ入学、卒業する2013年までDeborah Tanguy氏のもとで学びました。彼女の1番の挑戦は、「個性を失う事なく、生まれ持った声と即興演奏の才能を伸ばす事」でした。

2012年にCarine Bonnefoy氏率いるオーケストラの南アフリカツアーに参加し、その後パリ13区の音楽院で彼女の指導のもと作曲を学びます。大学院のコンクールで、セクステットグループの初めての自身の作曲を披露し、審査員から高い評価を受けました。

その後、「ディディエ・ロックウッド・ミュージック・センター」にてフランスの名だたるジャズミュージシャン達の側で声楽とジャズを学びます。2年目を終えた時には同校の最優秀賞ならびにソリスト特別評価を取得。ヴォーカリストのこの賞の受賞は2000年の開校以来初めての快挙で、その後2年もしないうちには同校の教師として指導もするようになりました。

ノルマンディー地 方のフェスティバルでは、2014 年に「ジャズ・オン・べ」で、2015 年に「ジャズ・オン・オッシュ」でそれぞれ新人賞を受賞すると、同年「ジャズ・ア・ヴァンヌ」ではファイナリストとしても選ばれました。それ以来エリノアは、5人の才能あるミュージシャンと共に早熟の作曲と新しい音色を作り出し、「私たち自身の内に燃える先祖の炎」をテーマとした初アルバム『オールド・ファイヤー(Old Fire)』をリリースします。フランス各地でツアーを行い、パリのジャズフェスティバルではベルギー出身のジャズヴォーカリスト、デヴィッド・リンクスとの共演も果たしました。

2017年、コンクール「アクション・ジャズ」にてソリスト賞を受賞。ヴォーカル 6 人グループの「シェイズ (Shades)」や5 人グループ「シーオレム・オブ・ジョイ (Theorem of Joy)」などのグループにおいても活動を始め、リーダーを務める15人の「ワンダーラスト・オーケストラ」として、自身2枚目となるアルバムをリリースします。また、大編成アンサンブルの若き作曲家として、大編成のジャズグループを擁護するフランスの連盟「グラン・フォルマ(Grands Formats)」に入会しました。

2018 年リリースされたワンダーラスト・オーケストラ初アルバムは、フランスのジャズ月刊誌 Jazz Magazine特別賞を受賞および Citizen Jazz優秀アルバム選、ル・モンド紙のアルバム選に選出され、さらにフランス音楽著作権協会サセム(Sacem)の最優秀自己出版賞も受賞するなど大きく取り上げられました。同年には、ヴォーカルと弦楽器が中心のカルテットグループ「オフェリア(Ophelia)」も立ち上げます。同時に、アーティスト・演奏者の著作権管理団体「スペディダム(Spedidam)」が三年に一度選抜する、12 人の「Spedidam 世代のアーティスト」としても選ばれ、同団体から2018年から 2021年までの期間、様々な創作プロジェクトの金銭的・技術的サポートを受けることになっています。

2019年には、フランス国立ジャズオーケストラ(以下ONJ)の新しいアートディレクター、フレデリック・モランより依頼を受け、新しい創作プロジェクト『リチュエル(Rituels)』にも作曲家・ヴォーカルとして参加しています。このプログラムは同年11月にフランス国営放送局(ラジオ・フランス)のホールで演奏されました。

更には自身のプロジェクトに加え“サイドウーマン”として数々のCDに登場し、ワンダーラスト・オーケストラの新プログラムであり、ジャズのオーケストラとして初となる3D音響によるプログラム『ヴィル・トタル(VILLE TOTALE)』を作曲しました。

現在は、ブルターニュ地方のコンサートホール”Estran”から青年合唱団の作曲依頼を受け、交響楽団の作曲も進めているほか、モンブリゾン劇場からも依頼を受けるなど数多くの作曲を手掛けています。

2021年にはONJによるリメイクが決定しているアンドレ・オデールの『アナ・リヴィア・プリュラベル』のプロジェクトにも参加する予定です。

OPHELIA

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オフェリアのメンバー:
エリノア(ヴォーカル・作曲)
オリーブ・ペルーソン(ヴィオラ、コーラス)
アルテュール・エン(コントラバス、コーラス)
ポール・ジャレ(ギター)
+
ニューアルバム『The Ballad of Ophelia』でのコラボレーション:
ボリス・ラメラン(ヴァイオリン)
アントワーヌ・デルプラ(ヴァイオリン)
オクターヴィオ・アンガリッタ(チェロ)
グレゴワール・ルトォヴェ(演出)

エリノアの新しいカルテットプロジェクト「オフェリア」は、ヴォーカルと弦楽器が中心で、声や楽器のエフェクトによる彩りにフォーカスしています。個性的な4人のアーティスト達によって醸し出される音色は、アコースティック音楽とエレクトロ音楽を織り交ぜた二面性を持ち、和やかでありながらも感情に強く訴えかけます。エリノアの作曲、編曲の巧妙さを保ちながら、繊細なヴォーカルとミュージシャン達の音色の相互作用を強調させたプログラムとなっています。

グループのメンバーにはまずコントラバスの名手アルテュール・エン。エリノアと音楽学校「ディディエ・ロックウッド・ミュージック・センター」在学中に出会い、それ以来常にコラボを続けてきました。即興者でありながらリズムの正確さに優れている彼は、ドラムのない「オフェリア」において、ピチカートや弓による演奏でリズムセクションを担当しています。また、時に歌を担当することもあります。

次に、オリーブ・ペルーソン(ポップエレクトロデュオグループ「Rovski」、ジャズのカルテットグループ「Les Enfants d’Icare」などでも活動中)は歌とヴィオラで暖かい音色を加えます。楽器が醸し出すメロディーに加えて、多様な技法で異なる音色を見出しながら、パーカッション更にはノイズミュージックも表現します。

そして最後に、ポール・ジャレ(モダンジャズクインテット「Pj5」などのグループでも活動中)は現代のジャズシーンの音色を持ち合わせたギタリスト。イギリスとスカンジナビアのロックやポップ、エレクトロミュージック、そして現代ジャズから影響を受けた芸術的センスとサウンドエフェクトの高い技術でグループの音色を更に澄んだものにします。

カルテット「オフェリア」の名は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の登場人物オフェリアから名づけられています。彼女は王子ハムレットに恋をしますが、残酷な運命に翻弄され、その想いはかなわぬまま、川で溺れてしまいます。この哀しくも美しい女性の人生こそ、この作曲プロジェクトの鍵。

オフェリアの生涯を表す「水」「夢」「欲望」「断念」「放棄」そして「運命」という主題は、このプロジェクトの作曲や歌詞に繰り返し現れるテーマであり、それぞれが音色によって表現されています。このグループの楽曲の特徴は、シンプルで幻想的なメロディーから始まり、徐々に現実から引き離されていくような軋む音色へと移り変わって行く変化。そして、夢のような軽い雰囲気を醸し出しつつも、リズミカルで時にロックをも思わせるようなずっしりとした作曲も可能にした、ドラム無しのフォーメーション。まさに様々な形をとって激しく流れていく水のイメージを表現しています。エリノアの歌声は形を変え、徐々に大きくなり、楽器に勢いづけられ最後には水のように大海の中へ消えて行くのです。言葉が発せられる度に、かき分けるように進み道を掘り出し、果てしなく広がっていくかのように。コントラバスのアルテュール・エンとヴィオラのオリーブ・ペルーソンは交互に飛び散る飛沫を表現し、そして反響するコーラスはオフェリアを捉え、やがて飲み込んでゆくかのようです。

「エリノアは、制限のある定義の中に当てはめるのは不可能な、独自の世界観を持ってすべての曲を生み出す希少な才能を持っている。」Citizen Jazz

WANDERLUST ORCHESTRA

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ワンダーラスト・オーケストラのメンバー:
エリノア(ヴォーカル・作曲・指揮)
ソフィー・ロドリゲス(フルート)
バルタザール・ナチュレル(オーボエ、イングリッシュホルン)
イリエス・フェルフェラ(アルトサックス)
ピエール・ベルニエ(ソプラノ、テノールサックス)
パコ・アンドレオ(トロンボーン)
エロイーズ・ルフェーブル(ヴァイオリン)
ウィダッド・アブデスメッド(ヴァイオリン)
セヴリン・モルファン(ヴィオラ)
ジュリエット・セラ(チェロ)
マティス・パスコ(ギター)
ティボ・ゴメス(ピアノ)
アルテュール・エン(コントラバス)
ガブリエル・ウェストファル(ドラム)
レオ・ダネ(ドラム)

「驚愕すべき」(日刊紙Ouest-France)、「巧妙であるとともに繊細」(日刊紙La Nouvelle République)、と評されたエリノアは、特徴的なその声、即興演奏、そして豊かな世界観で観客を魅了するアーティストです。2015年にリリースしたシクステットグループの初アルバム「オールド・ファイヤー」で作曲の精巧さを評価され賞も受賞した後、ジャズの新世代の14人のミュージシャンのオーケストラとともに再び舞台に舞い戻りました。

弦楽器、木管楽器、金管楽器、リズムセクション、そして歌詞のないヴォーカル:物語を語るのは彼女ではなくオーケストラ全体。圧巻のキャンバスがそれぞれの楽器から解き放たれる即興演奏を描いていきます。

レパートリーを構築する上で、エリノアは世界中の様々な「訳せない言葉」をテーマに、14人編成の豊かな音色でその言葉を表現しました。

冒険的なジャズオーケストラによって語られる、躍動的で豊か、詩的でエネルギッシュでありながら輝くような物語は、壮大な旅をしたかのような感情をもたらしてくれます。

「豊かで輝く、様々な音色を歌い分けるエリノアのオーケストレーションの才能がはっきりと現れている(…)ソリスト達がこのディスクの美点を共有し演奏することで、本格的な物語を描く作曲が生きている。エリノア自身もしなやかなで明瞭な声、そして確実なスキャットで輝いている。」Jazz Magazine

「見事な作曲と、演奏と同様に作曲の質の良さが際立つ大注目の新アルバム」Le Monde

「私達の耳(そして心)に世界の美しさを届けてくれる冒険的で開拓的かつ大胆なジャズ」Femme Actuelle

OLD FIRE

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オールド・ファイヤーのメンバー:
エリノア(ヴォーカル・作曲)
イリエス・フェルフェラ(アルトサックス)
ジュリアン・チュアル(ギター)
リシャール・ポエール(ピアノ)
アルテュール・エン(コントラバス)
ガブリエル・ウェストファル(ドラム)

エスペランサ・スポルディングとパット・メセニー、ビョークそしてティグラン・ハマシアンよりインスピレーションを受けた旋律的高揚、斬新なハーモニー、酔わせるようなグルーブ。エリノアは声だけでなく、作詞、編曲などその全てで表現します。

流れるようでありながら繊細な作曲を可能にするシクステットの編成。その中心にあるのは、楽器とヴォーカルの即興演奏です。

2015年4月にリリースされた初アルバムオールド・ファイヤー、「聖なる炎」は、彼女の創作プロセスの中心に位置するものです:決定的な方向転換(I’m Leaving Town)、何があろうと前進すること(Walking)、破壊的でありながら恵みを与える嵐の通過(Storm)、そしてインスピレーションや本能、原始的なものへとたどり着くこと(Old Fire)…

エリノアは私達をありふれた道から遠く引き離し、旅へといざないます。豊かで、大胆さを兼ね揃えた音楽は、真実性だけでなく、子供から大人になる過程に特有の複雑さ、居場所を見つける難しさ、そして存在するために何かを作り出していく必要性をも表現しています。

「強調しすぎた人工的なイメージやスタイルに溺れることなく、ポップ音楽とジャズ、ブラジリアン音楽を織り交ぜた海の中を陽気に航海するー、この若いアーティストは見事な技法をもって自分の道を突き進む(…)とてもフレッシュでとても“プロ”、心地よく魅力的なジャズシャンソンの初アルバム。」Jean-Louis Derenne, ô Jazz

「なんて素敵な音楽だろう!詩的で深みがあり、遠くまで飛び立つ羽を持った内なる太陽を秘めている…高く、とても高く…次のアルバムが待ちきれない」Laura Littardi, chanteuse

メディア

「このヴォーカリストは(…)まだとても若いにもかからわず全てを理解している作曲家、編曲家そして演奏家だ。ディディエ・ロックウッド・ミュージック・センターで出会った仲間に囲まれたとても有望なアーティスト。素晴らしい!」
ô Jazz – 2014年6月21日のコンサート

「真の適性を持った、グルーブのリーダーを務めるヴォーカリスト−ミュージシャンがいる(…)。」
Franck Bergerot, Jazz magazine – 2014年6月29日のコンサート

「エリノアの作曲は、パット・メセニーの楽しそうでメランコリックな曲調に見られるような香りを持っている。気をはらないコンサートに沢山の群衆が押し寄せ、それぞれが耳を傾け一斉に拍手を送った:エリノアは観客を魅了した。」
Magcentre – 2014年6月21日のコンサート

「グループ、音、そして風通しの良い編曲の質の一貫性は、確実に審査員たちを魅惑した最も大きい要素だろう。リーダーでありヴォーカリストであるエリノアは、レパートリー全ての作曲から編曲までを担当し、グループの中心の柱として君臨する。」
Louis Victor, Couleurs Jazz – 2014年8月15日のコンサート

「(…)編曲まで彼女が手掛けるグループの中で、“語り手”としての役割と、ヴォーカリストそして即興者としての才能を引き立てるオリジナルのレパートリー」
Franck Bergerot, Jazz magazine – 2014年6月28日のコンサート

「その歌手はその作曲家としての才能と、完全に習得された歌を更に伸ばすようなその編曲で魅了した。様々なものから影響を受けている彼女だが(…)その結果は彼女特有のものになっている。来年もかならず、いろいろな舞台の上で彼らを再び見ることになるだろう。」
T.B., Jazz News – 2014年8月15日のコンサート

ジャズ・オン・べ・フェスティバルは驚くべきエリノアとともに幕を開け、観客を完全に虜にした
Marie-Madeleine Remoleur, Ouest-France – 2015年8月5日のコンサート

「…エリノアが私達のために奏でるソロ」
Alain Gauthier, Culture Jazz – 2016年1月11日のコンサート

「(…)その夜の幕開けをした若いヴォーカリスト、エリノアとミュージシャン達とともに迎える最高潮のフィナーレ。巧妙であるとともに繊細な音楽は私達を感嘆させた。」
La Nouvelle République – 2016年7月1日のコンサート

「極めて個性的で味わい深い世界観を持った歌手」
TSF Jazz / Deli Express – 2016年10月11日のコンサート